ASP.NET WebFormsからMVC・ASP.NET Coreへ移行する手順を初心者向けに完全解説
生徒
「ASP.NET WebFormsって古いって聞いたんですが、今は何を使うのが普通なんですか?」
先生
「今はASP.NET MVCやASP.NET Coreが主流ですね。特に新規開発ではCoreが選ばれることが多いです」
生徒
「WebFormsで作ったシステムは、どうやって移行すればいいんでしょうか?」
先生
「順番を守って考えれば大丈夫です。まずは考え方の違いから整理していきましょう」
1. ASP.NET WebForms・MVC・Coreの違いを理解する
ASP.NET WebFormsは、画面をドラッグして作ることができ、イベント駆動という仕組みで動きます。これは「ボタンを押したら自動で裏側の処理が動く」家電のような考え方です。 一方、ASP.NET MVCは、画面・処理・データを分けて考える構造です。これにより、コードが整理され、修正しやすくなります。 ASP.NET Coreは、そのMVCの考え方を引き継ぎつつ、より高速で、Windows以外のOSでも動く新しい仕組みです。 移行の第一歩は、「WebFormsとは考え方が違う」という点を受け入れることです。
2. 移行前に必ず確認するWebFormsの構成
移行を始める前に、現在のWebFormsアプリがどう作られているかを確認します。 特に重要なのは、aspxファイル、コードビハインド、ViewState、イベント処理です。 ViewStateとは、画面の状態を隠れて保存する仕組みで、WebForms特有のものです。 MVCやCoreではViewStateは使わないため、「どの情報をサーバーで管理しているか」を整理しておく必要があります。 これは引っ越し前に、不要な家具を整理する作業に似ています。
3. WebFormsの画面をMVCのViewへ置き換える
WebFormsのaspx画面は、そのままMVCでは使えません。 MVCでは「View」と呼ばれるcshtmlファイルを使います。 まずは、HTML部分だけを取り出して、新しいViewに貼り付けるところから始めます。 ボタンや入力欄は、HTMLとして書き直すことで、MVCの形に近づきます。
<form method="post">
<input type="text" name="UserName" />
<button type="submit">送信</button>
</form>
4. イベント処理をControllerのActionへ移行する
WebFormsでは、ボタンをクリックすると自動でイベントが呼ばれます。 MVCやCoreでは、Controllerというクラスに処理を書きます。 Controllerは「受付窓口」のような存在で、画面からの要求を受け取って処理します。 考え方が変わる点なので、ここが一番の山場になります。
public class HomeController : Controller
{
[HttpPost]
public IActionResult Index(string userName)
{
ViewBag.Name = userName;
return View();
}
}
5. ASP.NET Coreで新しいプロジェクトを作成する
移行先としておすすめなのがASP.NET Coreです。 Visual Studioで新しいプロジェクトを作成し、テンプレートからMVCを選びます。 Coreでは、最初から必要な構成が整理されており、WebFormsよりも見通しが良くなります。 設定はProgram.csに集約されており、アプリ全体の動きを一か所で確認できます。
var builder = WebApplication.CreateBuilder(args);
builder.Services.AddControllersWithViews();
var app = builder.Build();
app.MapDefaultControllerRoute();
app.Run();
6. データ処理と状態管理の考え方を切り替える
WebFormsでは、画面の状態を自動で保持してくれました。 しかしMVCやCoreでは、状態は自分で管理します。 セッションや一時データを使い、「必要な情報だけを持つ」設計に変えていきます。 これは、常に重たいカバンを持ち歩くのではなく、必要な物だけを持つ感覚です。 この考え方を理解すると、移行後の開発がとても楽になります。
7. 段階的に移行して安全に切り替える
大規模なWebFormsアプリは、一気に移行しようとすると失敗しやすくなります。 まずは画面単位で、MVCやASP.NET Coreに置き換えていく方法がおすすめです。 既存のWebFormsと新しい仕組みを共存させながら、少しずつ移行します。 これにより、サービスを止めずに近代化することができます。