カテゴリ: VB.NET 更新日: 2026/01/14

VB.NETの非同期処理と例外処理を完全ガイド!Async/Awaitのエラー対策

VB.NETで非同期処理(Async/Await)と例外処理を組み合わせる方法
VB.NETで非同期処理(Async/Await)と例外処理を組み合わせる方法

先生と生徒の会話形式で理解しよう

生徒

「VB.NETで『非同期処理』というのを使ってみたのですが、エラーが起きるとアプリが突然止まってしまいます。普通の例外処理と同じ書き方で大丈夫ですか?」

先生

「非同期処理(Async/Await)では、エラーが発生するタイミングが少し特殊なんです。でも安心してください、基本のTry...Catchを正しく組み合わせれば、しっかりエラーを捕まえることができますよ。」

生徒

「待ち合わせをしている最中にエラーが起きるようなイメージでしょうか?」

先生

「その通りです!それでは、非同期の世界で安全にエラーを処理する方法を、具体的なコードと一緒に見ていきましょう。」

1. 非同期処理(Async/Await)と例外処理の基本

1. 非同期処理(Async/Await)と例外処理の基本
1. 非同期処理(Async/Await)と例外処理の基本

VB.NETの非同期処理(ひどうきしょり)とは、時間のかかる作業(インターネットからのダウンロードや重い計算など)を行っている間に、画面が固まらないように別の作業を並行して進める仕組みのことです。Asyncは「これから非同期をやるよ」という宣言、Awaitは「作業が終わるのを待つよ」という合図です。

プログラミング未経験の方に例えると、料理の注文(リクエスト)をしてから料理が届くまでの間、ずっとレジの前で立って待つのが「同期処理」。注文票を持って席に座り、スマホを見ながら待つのが「非同期処理」です。しかし、席で待っている間に「材料が切れて料理が作れなくなった(例外)」という連絡が来たらどうすればいいでしょうか?この「離れた場所で起きたトラブル」をスマートに解決するのが、今回のテーマである非同期の例外処理です。

2. Async/AwaitでのTry...Catchの正しい書き方

2. Async/AwaitでのTry...Catchの正しい書き方
2. Async/AwaitでのTry...Catchの正しい書き方

非同期メソッド内で発生したエラーを捕まえるには、通常のプログラムと同じように Try...Catch 構文を使います。重要なポイントは、「Await」をしている場所をTryで囲むことです。これにより、別スレッド(別の作業机)で発生したエラーが、元の場所に「エラーが起きました!」と報告された瞬間にキャッチできるようになります。

もしTryで囲んでいないと、エラーは報告先を見失い、アプリケーション全体がクラッシュ(強制終了)してしまう原因になります。まずは一番シンプルな基本形をコードで確認しましょう。


' 非同期でエラーをキャッチする基本の形
Async Function ProcessDataAsync() As Task
    Try
        ' 時間のかかる処理を待機(ここでエラーが起きる可能性がある)
        Await Task.Run(Sub()
                           ' 意図的にエラーを発生させる
                           Throw New Exception("データの読み込みに失敗しました。")
                       End Sub)
    Catch ex As Exception
        ' 非同期処理の中で起きたエラーもここで捕まえられます
        Console.WriteLine("エラーを検知しました: " & ex.Message)
    End Try
End Function

3. 非同期処理特有の戻り値「Task」と例外の関係

3. 非同期処理特有の戻り値「Task」と例外の関係
3. 非同期処理特有の戻り値「Task」と例外の関係

非同期処理では、メソッドの戻り値として Task(タスク)という型をよく使います。これは「将来完了する予定の仕事」を予約したチケットのようなものです。このチケットの中に、実は「成功したかどうか」や「エラー内容は何だったか」という情報が自動的に書き込まれます。

Await を使ってこのチケットの結果を受け取るとき、中身が「エラー」であれば、VB.NETが自動的に例外として投げ直してくれます。パソコンを触ったことがない方でも、「予約していた商品(Task)を受け取りに行った(Await)とき、欠品通知(Exception)が入っていた」と考えれば分かりやすいでしょう。この仕組みのおかげで、非同期であっても複雑な判定なしで Catch ブロックへ処理を飛ばすことができるのです。

4. Async Subを避けるべき理由とエラーの行方

4. Async Subを避けるべき理由とエラーの行方
4. Async Subを避けるべき理由とエラーの行方

ここが非常に重要な注意点です。非同期メソッドには Async FunctionAsync Sub の2種類がありますが、例外処理の観点からは可能な限り Async Sub を使ってはいけません。なぜなら、Sub は「やりっぱなし」で戻り値(Taskチケット)がないため、呼び出し元が Await してエラーを監視することができないからです。

Async Sub でエラーが起きると、そのエラーは誰にも捕まえられず、システムの心臓部まで突き抜けてアプリを即座に終了させてしまいます。イベントハンドラー(ボタンが押された時の処理など)以外では、必ず Async Function ... As Task を使うのが、プログラミングの世界のベストプラクティス(最も良いやり方)です。


' 安全な非同期メソッドの例
Async Function SafeDownloadAsync() As Task
    ' 何らかのダウンロード処理
    Await Task.Delay(1000)
    Console.WriteLine("完了")
End Function

' 呼び出し側でのエラー対策
Async Sub Button_Click(sender As Object, e As EventArgs)
    Try
        ' Taskを返す関数をAwaitするので、エラーを検知できる
        Await SafeDownloadAsync()
    Catch ex As Exception
        Console.WriteLine("安全にエラーを処理しました。")
    End Try
End Sub

5. 複数の非同期処理をまとめて待つ際のエラー

5. 複数の非同期処理をまとめて待つ際のエラー
5. 複数の非同期処理をまとめて待つ際のエラー

時には、複数の作業(例:3つのファイルを同時にダウンロードするなど)を並行して行い、それらが「全部終わるまで待ちたい」という場面があります。この時、Task.WhenAll という命令を使います。もしこの複数の作業の中で、2つ以上のエラーが同時に起きたらどうなるでしょうか?

実は、通常の Try...Catch では、最初に発生したエラー1つだけがキャッチされます。残りのエラーも裏側には存在しているのですが、代表者だけが報告される仕組みになっています。全ての詳細なエラー内容を知りたい場合は、AggregateException(アグリゲート・エクセプション:集約された例外)という特別な箱の中身を確認する必要があります。初心者の方は、まず「複数の時は最初のエラーが飛んでくる」と覚えておけば十分です。

6. Finallyステートメントと非同期の後片付け

6. Finallyステートメントと非同期の後片付け
6. Finallyステートメントと非同期の後片付け

非同期処理でも、エラーが起きようが起きまいが、最後に必ず「後片付け」をしたい場合があります。例えば、読み込み中に表示していた「通信中...」というぐるぐる回るアイコンを消す処理などです。この時、Finally ブロックが活躍します。

Try...Catch...Finally の流れは非同期でも有効です。作業が中断されても、確実に画面を元の状態に戻したり、開いたファイルを閉じたりすることができるため、リソース管理の面で非常に強力です。パソコン操作で言えば、「作業が終わったら(または失敗したら)必ず机を拭いて帰る」というルールを守るようなものです。


' 後片付けを含む非同期処理の例
Async Function LoadWebDataWithCleanup() As Task
    ' 準備(例:プログレスバーを表示)
    Console.WriteLine("通信を開始します...")
    
    Try
        ' ネットワーク通信をシミュレート
        Await Task.Delay(2000)
        Throw New TimeoutException("接続がタイムアウトしました。")
    Catch ex As TimeoutException
        Console.WriteLine("再試行してください: " & ex.Message)
    Finally
        ' エラーの有無に関わらず、必ず実行される
        Console.WriteLine("画面表示を元に戻しました。")
    End Try
End Function

7. キャンセル処理と例外(OperationCanceledException)

7. キャンセル処理と例外(OperationCanceledException)
7. キャンセル処理と例外(OperationCanceledException)

非同期処理には「途中でキャンセルする」という機能がよく付いています。ユーザーが「待つのをやめた」と中止ボタンを押した場合などです。この時、プログラムはエラーとしてではなくキャンセルされたという特別な例外(OperationCanceledException)を投げます。

これは「故障」ではなく「ユーザーの意思による中断」なので、通常の重大なエラーとは分けて考える必要があります。Catch ex As OperationCanceledException と書くことで、「キャンセルされたので、静かに処理を終了する」といった自然な対応が可能になります。こうした細かい例外の型を使い分けることで、より親切なアプリケーションになります。

8. 非同期例外処理でよくある初心者のミス

8. 非同期例外処理でよくある初心者のミス
8. 非同期例外処理でよくある初心者のミス

最も多い間違いは、Await なしで非同期メソッドを呼び出し、その外側を Try...Catch で囲んでしまうことです。これでは、別スレッドでエラーが起きたときには既に Try ブロックを通り過ぎてしまっているため、エラーを捕まえることができません。

必ず Await と Try はセット であることを忘れないでください。また、エラーメッセージを MessageBox.Show などで表示する場合は、UI(ユーザーインターフェース)スレッドという、画面を操作できる専用のスレッドに戻っている必要があるのですが、Await を正しく使っていればVB.NETがその辺りの調整も自動でやってくれます。現代のプログラミングでは、この自動調整を活かして安全にコードを書くことが求められます。

9. 非同期での例外ログの記録とデバッグ

9. 非同期での例外ログの記録とデバッグ
9. 非同期での例外ログの記録とデバッグ

非同期のエラーは、いつ発生したのか、どの順序で起きたのかが複雑になりがちです。そのため、Catch ブロックの中でログ(実行記録)を残すことが非常に大切です。Console.WriteLine だけでなく、ファイルに書き出したりすることで、後から「なぜこのエラーが起きたのか」を分析できます。

VB.NETのデバッグ機能を使えば、非同期の深い場所で起きたエラーも、まるで止まっているかのように一行ずつ確認できます。エラーを怖がる必要はありません。例外処理は、あなたの大切なプログラムをトラブルから守り、ユーザーに安心感を与えるための「盾」なのです。今回の知識を活かして、どんな状況でも止まらない、強いアプリ作りに挑戦してみてください。

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