カテゴリ: VB.NET 更新日: 2026/01/17

VB.NETでリソース解放を確実に行う方法!IDisposableとUsingの使い方

VB.NETでリソース解放を確実に行う方法(IDisposable)
VB.NETでリソース解放を確実に行う方法(IDisposable)

先生と生徒の会話形式で理解しよう

生徒

「先生、ファイルを読み書きするプログラムを作ったのですが、ずっと動かしているとパソコンが重くなったり、ファイルが開きっぱなしで消せなくなったりします。何がいけないんでしょうか?」

先生

「それは『リソース解放』ができていないのが原因かもしれません。プログラムで使った道具を、使い終わった後にちゃんとお片付けしていない状態ですね。」

生徒

「お片付けですか?プログラムも人間と同じで、使い終わったら片付けなきゃいけないんですね。」

先生

「その通りです!VB.NETには『IDisposable』というお片付けのルールと、『Using』という便利な自動お片付け機能があります。今日はこれをマスターしましょう!」

1. リソース解放とは?お片付けの重要性

1. リソース解放とは?お片付けの重要性
1. リソース解放とは?お片付けの重要性

VB.NETのプログラムが扱うリソースとは、パソコンが持っているメモリ(作業スペース)や、ファイル、ネットワーク接続、データベースへの道筋などの「限りある資源」のことです。プログラミング未経験の方に例えると、リソースは「料理で使う道具や場所」のようなものです。

例えば、キッチン(メモリ)でフライパン(ファイル)を使って料理をした後、洗わずにそのまま出しっぱなしにしたらどうなるでしょうか?次に料理をしたい人がフライパンを使えませんし、キッチンはどんどん狭くなって最後には何もできなくなってしまいます。プログラムも同じで、使い終わったリソースを解放(かいほう)、つまりお片付けしないと、パソコンの動作が遅くなったり、アプリが突然止まったりする原因になります。これを防ぐのがリソース管理という大切な技術です。

2. IDisposableインターフェースというお約束

2. IDisposableインターフェースというお約束
2. IDisposableインターフェースというお約束

VB.NETには、お片付けが必要な道具に対して「私は使い終わったらお掃除が必要です」という印を付ける仕組みがあります。それがIDisposable(アイ・ディスポーザブル)というインターフェースです。インターフェースとは、プログラムにおける「お約束」や「ルール」のことだと考えてください。

このIDisposableというルールを守っている道具(クラス)には、必ずDispose(ディスポーズ)という名前のメソッド(命令)が付いています。このDispose命令を呼び出すことが、「お片付けを実行してください」という合図になります。ファイル操作や画像の加工、データベース接続など、WindowsというOS(基本ソフト)から直接借りてくるような重い道具には、大抵この印が付いています。

3. 手動でDisposeを呼び出す方法とその弱点

3. 手動でDisposeを呼び出す方法とその弱点
3. 手動でDisposeを呼び出す方法とその弱点

一番基本的なお片付けの方法は、使い終わった後に自分で Dispose() と書くことです。しかし、これには大きな落とし穴があります。もし、お片付けの命令にたどり着く前に、プログラムの中でエラー(例外)が発生してしまったらどうなるでしょうか?

エラーが起きると、プログラムはその後の処理を飛ばしてしまいます。つまり、お片付けの命令が実行されずに終わってしまうのです。これでは確実に解放することができません。そこで、以前学習した例外処理(Try-Finally)を組み合わせて、何があっても最後に必ずお片付けをするように工夫する必要があります。


' 手動でお片付けをする少し大変な書き方
Dim reader As New System.IO.StreamReader("test.txt")
Try
    ' ファイルを読む処理
    Console.WriteLine(reader.ReadToEnd())
Catch ex As Exception
    ' エラーが起きた時の処理
    Console.WriteLine("エラーが発生しました: " & ex.Message)
Finally
    ' エラーが起きても起きなくても、最後に必ずお片付けをする
    If reader IsNot Nothing Then
        reader.Dispose()
        Console.WriteLine("リソースを解放しました。")
    End If
End Try

4. Usingステートメントで自動お片付け

4. Usingステートメントで自動お片付け
4. Usingステートメントで自動お片付け

前述の「Try-Finallyでお片付け」を、もっと短く、かつ確実に書くための魔法のような言葉がUsing(ユージング)ステートメントです。これはVB.NETの中でも特に重要なキーワードで、初心者からプロまで全員が使う必須テクニックです。

Using を使って道具を使い始めると、その範囲(ブロック)が終わった瞬間に、VB.NETがあなたの代わりに自動で Dispose を呼び出してくれます。たとえ途中でエラーが起きても、まるでセンサー付きのドアが自動で閉まるように、確実にお片付けが行われます。これを使えば、書き忘れも防げますし、コードもスッキリして読みやすくなります。例外処理とリソース解放を同時にこなす、もっとも推奨される方法です。


' Usingを使ったスマートで安全なお片付け
Using writer As New System.IO.StreamWriter("sample.txt")
    ' ファイルに書き込む
    writer.WriteLine("こんにちは、VB.NETのリソース解放!")
    writer.WriteLine("この書き方なら自動でお片付けされます。")
End Using ' ←ここで自動的にDisposeが呼ばれる

5. どんなときにUsingを使うべきか

5. どんなときにUsingを使うべきか
5. どんなときにUsingを使うべきか

では、どんな道具(オブジェクト)に対して Using を使えばいいのでしょうか?判断基準はとても簡単です。Visual Studioなどの開発ツールを使っているなら、その道具の名前にマウスを重ねてみてください。もし「IDisposableを実装しています」というような説明が出てきたら、それは Using の出番です。

代表的な例としては、以下のようなものがあります。

  • ファイル操作: StreamReader, StreamWriterなど
  • ネットワーク通信: HttpClient, WebClientなど
  • 画像処理: Bitmap, Graphicsなど
  • データベース操作: SqlConnection, SqlCommandなど
これらは「使い終わったら必ず片付ける」のが鉄則です。データ型と変数の学習の際、これらの重いデータを扱うときは、常に Using をセットで思い出すようにしましょう。

6. Usingを入れ子(ネスト)にして使う方法

6. Usingを入れ子(ネスト)にして使う方法
6. Usingを入れ子(ネスト)にして使う方法

プログラムを作っていると、「ファイルを開きながら別のファイルにも書き込む」というように、複数の道具を同時に使いたい場面があります。そんなときは、Using を重ねて使うことができます。これを入れ子(ネスト)と呼びます。

内側の Using が終われば内側の道具が片付けられ、外側の Using が終われば外側の道具が片付けられます。VB.NETでは、もっと簡潔に複数の Using を並べて書く方法も用意されており、複雑なファイル操作でも迷わずにリソースを管理できるようになっています。


' 2つの道具を同時に使って、自動でお片付けする例
Using source As New System.IO.StreamReader("old.txt"),
      destination As New System.IO.StreamWriter("new.txt")
    
    ' 古いファイルから読んで、新しいファイルへ書く
    Dim content As String = source.ReadToEnd()
    destination.Write(content)
    
End Using ' 両方の道具がここでお片付けされる

7. ガーベジコレクション(GC)との関係

7. ガーベジコレクション(GC)との関係
7. ガーベジコレクション(GC)との関係

ここで少し高度な話をしますが、パソコンに詳しくない方でも分かるように説明します。VB.NETにはガーベジコレクション(GC)という「自動掃除機」のような機能が備わっています。これは、いらなくなったメモリを勝手に拾い集めてくれる便利な機能です。

「じゃあ、自分でお片付け(Dispose)しなくてもいいのでは?」と思うかもしれません。しかし、GCという掃除機は「いつ掃除に来るか分からない」のです。ファイルを開きっぱなしにしていると、GCが掃除に来るまでの間、そのファイルはずっとロック(固定)されたままになり、他のアプリから触れなくなってしまいます。Using を使うことは、「掃除機を待たずに、今すぐ自分の手で箒を使って掃き掃除をする」くらい、素早くて確実な対応なのです。基本として、この自発的なお片付けを習慣にしましょう。

8. IDisposableを自分で作る場合の基礎知識

8. IDisposableを自分で作る場合の基礎知識
8. IDisposableを自分で作る場合の基礎知識

自分で新しいクラス(道具の設計図)を作るとき、その中で別の「お片付けが必要な道具」を使う場合は、自分のクラスにも IDisposable のルールを適用させる必要があります。これはクラスとオブジェクト指向の少し応用的な内容ですが、設計の基本となります。

「私の作った道具も、最後にはお片付けが必要です」と宣言することで、あなたの作ったプログラムを使う他の人も Using を使えるようになります。VB.NETでは、クラスに Implements IDisposable と入力すると、お片付け用のコードの雛形を自動で作ってくれる機能があります。これを利用して、プロが作ったような「行儀の良い」プログラムを目指しましょう。

9. リソース解放を忘れた時に起きるトラブル

9. リソース解放を忘れた時に起きるトラブル
9. リソース解放を忘れた時に起きるトラブル

もし Using を忘れ続けたらどうなるか、具体的なトラブル例を知っておきましょう。これをメモリリークと呼んだりします。

  • 長時間アプリを動かしていると、だんだんパソコン全体の動きがガクガクになる。
  • ファイルを書き換えたはずなのに、「別のプログラムが使用中です」と出て保存できない。
  • データベースへの接続数が上限に達して、新しいユーザーがアクセスできなくなる。
これらはすべて、お片付けをサボったために「使えない道具」が散乱してしまった結果です。デバッグ(間違い探し)をする際も、こうした「リソースの詰まり」がないかを確認するのがエンジニアの腕の見せ所です。初心者のうちから Using を使いこなすことで、これらのトラブルを未然に防ぐことができます。

10. 良いプログラムへの第一歩

10. 良いプログラムへの第一歩
10. 良いプログラムへの第一歩

今回はVB.NETの例外処理において最も重要な「お片付け」の作法を学びました。Using ステートメントを使えば、難しいことを考えなくても安全確実にリソースを解放できます。これは単なる書き方のルールではなく、あなたのプログラムを使う人や、動いているパソコンへの「思いやり」でもあります。

パソコンを触るのが初めてという方も、「開けたら閉める」「出したら片付ける」という日常の当たり前をコードにするだけだと考えれば、難しくありませんよね。この調子で、次はもっとたくさんのデータを扱うコレクションと配列などの学習に進んで、表現の幅を広げていきましょう!

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