LinuxでASP.NET Coreを動かす手順|初心者でもわかる開発環境構築ガイド
生徒
「先生、ASP.NETってWindowsでしか使えないと思っていたんですが、Linuxでも動かせますか?」
先生
「実はLinuxでもASP.NET Coreを動かせますよ。.NET Coreはクロスプラットフォーム対応だから、Windows、Mac、Linuxで同じように動かせるんです。」
生徒
「すごい!でもLinuxってコマンドが難しそうで不安です…。」
先生
「心配いりません。これから、初心者でも迷わずにLinux上でASP.NET Coreを動かす手順を一緒に見ていきましょう!」
1. LinuxでASP.NET Coreを使うために必要な準備
LinuxでASP.NET Coreを動かすには、いくつか準備が必要です。ポイントは「アプリを作る道具」と「書く道具」と「動かす操作」を先に揃えることです。最初にここを押さえておくと、後の手順で迷いにくくなります。
- .NET SDK(エスディーケー):ASP.NETアプリを作成・実行するための開発キット
- テキストエディタまたはIDE:プログラムを書くためのソフト(Visual Studio Codeがおすすめ)
- Linuxの基本操作:ターミナル(黒い画面でコマンドを入力するツール)の使い方
特に.NET SDKは「インストールされているかどうか」を確認できるだけでも安心です。次のコマンドで数字が出れば、準備が進められる状態だと判断できます。
dotnet --version
また、Linuxでは作業用フォルダを作って、その中でプロジェクトを管理すると分かりやすいです。たとえば次のように「作業場所を作る → そこへ移動する」だけでも、手順が整理しやすくなります。
mkdir aspnet-work
cd aspnet-work
さらに、プログラミング未経験の方は「条件で分ける」「同じことを繰り返す」のイメージを先に掴むと学習がスムーズです。下のC#は、入力が空かどうかを判定してメッセージを変える、超シンプルな例です。
string name = "Linux";
if (string.IsNullOrEmpty(name))
{
Console.WriteLine("名前が未入力です");
}
else
{
Console.WriteLine(name + "でASP.NET Coreを始めよう!");
}
このような基本の考え方が分かっていれば、Linux上でもASP.NET Coreの開発は十分スタートできます。必要な道具が揃ったら、次の手順で実際に.NET SDKをインストールしていきましょう。
2. .NET SDKをLinuxにインストールする
次に行うのが、.NET SDKのインストールです。.NET SDKはASP.NET Coreアプリを作る・動かす・確認するための一式が入った必須ツールで、これがないと開発は始まりません。
Linuxにはいくつか種類(ディストリビューション)がありますが、ここでは初心者にも使われることが多いUbuntuを例に説明します。基本的な流れは「Microsoftの公式情報を登録 → SDKを入れる」だけなので、順番通りに進めれば問題ありません。
# Microsoftのパッケージ情報を取得
wget https://packages.microsoft.com/config/ubuntu/22.04/packages-microsoft-prod.deb -O packages-microsoft-prod.deb
# パッケージを登録
sudo dpkg -i packages-microsoft-prod.deb
# パッケージ一覧を更新
sudo apt-get update
# .NET SDKをインストール
sudo apt-get install -y dotnet-sdk-8.0
コマンドの意味をすべて覚える必要はありません。「コピーして実行 → 終わるまで待つ」で大丈夫です。途中でエラーが出なければ、インストールはほぼ完了しています。
インストール後は、本当に使える状態かを必ず確認しましょう。次のコマンドで数字が表示されれば、SDKは正しく入っています。
dotnet --version
8.0.100
この数字は.NETのバージョンを表しています。表示されない場合は、インストールが途中で止まっている可能性があります。
なお、SDKが入ると、Linux上でも次のような超シンプルなC#プログラムをすぐに動かせます。環境が整ったことをイメージするための例です。
Console.WriteLine("Linuxで.NETが使えるようになりました");
.NET SDKのインストールが終われば、LinuxでもASP.NET Core開発のスタートラインに立った状態です。次は、このSDKを使って実際にWebアプリを作っていきましょう。
3. 最初のASP.NET Coreアプリを作る
.NET SDKが入ったら、いよいよ最初のASP.NET Coreアプリを作ってみましょう。ここでやることはシンプルで、Linuxのターミナルに2〜3行のコマンドを入力するだけです。難しく見えても、やっていることは「ひな形を用意して、作業場所に移動する」だけなので安心してください。
まずはWebアプリのテンプレートを使って、プロジェクトを作成します。-oは出力先フォルダ名を指定するオプションで、実行すると同名のフォルダが作られ、その中に必要なファイル一式が入ります。
# プロジェクトを新規作成(雛形を作る)
dotnet new webapp -o MyFirstWebApp
# ディレクトリに移動(作業場所へ入る)
cd MyFirstWebApp
この段階で「何かできた感」が薄いかもしれませんが、すでにWebアプリとして動くための基本セットができています。たとえば、画面に表示するためのページや、起動に必要な設定ファイルが最初から用意されています。
初心者向けに、ここで「プログラムが動く」感覚をつかむための超シンプルなC#も見ておきましょう。Webアプリでも内部では同じC#で処理をしています。次は「メッセージを1行表示するだけ」の例です。
Console.WriteLine("はじめてのASP.NET Coreプロジェクトを作成しました");
このように、まずは小さな成功体験を積むのがコツです。プロジェクトの雛形が作れたら、次の手順で実際にアプリを起動して、ブラウザで表示を確認していきましょう。
4. ASP.NET Coreアプリを実行する
プロジェクトの雛形ができたら、次はいよいよASP.NET Coreアプリを実行してみましょう。実行といっても難しい操作はなく、Linuxのターミナルで1つのコマンドを入力するだけです。
作成したプロジェクトのフォルダに移動した状態で、次のコマンドを入力してください。このコマンドは「アプリを起動して待機する」という意味を持っています。
dotnet run
しばらくすると、ターミナルに次のようなメッセージが表示されます。これは「アプリが正常に起動し、アクセスを待っている状態」を表しています。
Building...
Now listening on: http://localhost:5000
Application started. Press Ctrl+C to shut down.
http://localhost:5000 は、今動いているASP.NET Coreアプリの表示先のURLです。ブラウザを開いてこのアドレスにアクセスすると、初期画面が表示されます。
もし画面が表示されれば、Linux上でASP.NET Coreが正しく動いている証拠です。なお、アプリを終了したいときは、ターミナル上で Ctrl + C を押すだけで停止できます。
「起動する → ブラウザで確認する → 停止する」という流れを体験できれば、ASP.NET Coreアプリ実行の基本はしっかり身についた状態です。
5. Linux初心者が注意すべきポイント
LinuxでASP.NET Coreを使うときに、初心者がよくつまずくポイントを整理しておきましょう。
- ターミナル操作に慣れていない → 最初はコピー&ペーストで十分です。少しずつ慣れていきましょう。
- ポートのアクセスが制限されている → サーバーとして公開する場合は、ファイアウォールの設定を確認してください。
- 権限エラーが出る →
sudoを付けて実行することで解決できる場合があります。
これらを意識して進めれば、Linuxでも安心してASP.NET Coreを学習できます。
6. Visual Studio Codeで開発しやすくする
LinuxでASP.NET Coreを開発するときは、テキストエディタとしてVisual Studio Codeを使うと作業がかなり楽になります。軽量で動作が軽く、C#向けの拡張機能を入れるだけで、入力補助やエラー表示などが使えるようになります。
まずはVS Codeが入っているか確認して、入っていなければインストールします。Ubuntuの場合は次のように進められます。
sudo apt-get update
sudo apt-get install -y code
インストール後は、作成したプロジェクトのフォルダを開くだけです。ここまでできると、ターミナルでの操作が不安な方でも、画面を見ながら開発を進めやすくなります。
cd MyFirstWebApp
code .
7. Linuxでよく使うdotnetコマンドを覚えよう
LinuxでASP.NET Coreを動かすときは、dotnetコマンドをよく使います。難しく感じるかもしれませんが、よく使うものは少ないので、まずは「確認」「実行」「停止」の流れだけ押さえると安心です。
たとえば、SDKの状態を確認したいときは次のコマンドが便利です。環境情報が一覧で出るので、トラブル時の切り分けにも役立ちます。
dotnet --info
そして、アプリを動かす基本はこれまで通りdotnet runです。起動中はターミナルが動き続けるので、終了するときはCtrl + Cで止められます。
「起動して確認して、止める」という一連の動きに慣れると、LinuxでのASP.NET Core開発が一気に身近になります。
8. よくあるエラーとすぐ試せる対処法
LinuxでASP.NET Coreを初めて動かすと、細かいところでつまずくことがあります。ただ、よくある原因は限られているので、落ち着いて確認すれば大丈夫です。ここでは初心者が遭遇しやすいケースをまとめます。
- dotnetコマンドが見つからない → SDKが入っているか、
dotnet --versionで確認します。 - ポートが使用中と言われる → 別のアプリが同じポートを使っている可能性があります。
- 権限エラーが出る → インストールや設定の作業は
sudoが必要な場合があります。
たとえば「ポートが使用中」の確認は、次のようなコマンドで行えます。数字(PID)が出たら、そのプロセスがポートを使っています。
sudo lsof -i :5000
原因が分かるだけでも安心感が変わります。最初は「何が起きているか」を知ることが大切なので、エラーが出たらコマンドの結果を一つずつ確認しながら進めていきましょう。