VB.NETの抽象クラスとMustInheritを完全ガイド!初心者でも理解できるオブジェクト指向の基礎
生徒
「VB.NETで抽象クラスとかMustInheritって聞いたんですが、どういうときに使うんですか?」
先生
「それはクラスを設計するときにとても大切な機能なんだ。どんな種類のクラスにも共通する部分をまとめたいときに役立つよ。」
生徒
「共通する部分…?いまいちイメージがつきません。」
先生
「じゃあ、まずは例え話から入って、抽象クラスとは何か、MustInheritをどう使うのかをわかりやすく説明していこう。」
1. 抽象クラスとは?
VB.NETの抽象クラスとは、「設計図のための設計図」のようなものです。普通のクラスはそのまま使うことができますが、抽象クラスはそのままでは使えず、必ず子クラスを作って使います。これは、共通する機能の“見本”としてだけ存在する特別なクラスだからです。
たとえば「動物」を考えると、動物は『鳴く』『食べる』など共通の動きがあります。でも、動物そのものは実体として存在できません。犬や猫などの具体的な動物が実体として存在します。この「動物」が抽象クラス、「犬」「猫」がその子クラスになります。
VB.NETでは、この抽象クラスを作るときにMustInheritというキーワードを使います。MustInheritは「これは抽象クラスだから直接使ってはいけないよ」と知らせる役割があります。
2. MustInherit の使い方をわかりやすく解説
MustInheritを付けたクラスは、そのままインスタンス化(具体的な形にすること)ができません。必ず子クラスを作って、その子クラスを使うことになります。
実際のVB.NETコードを見てみましょう。
Public MustInherit Class Animal
Public MustOverride Sub Cry()
End Class
このコードでは、Animalクラスは抽象クラスであり、Cryメソッドも抽象メソッド(実装のないメソッド)です。抽象メソッドにはMustOverrideを付けて、「子クラスで必ず書き直して使ってください」という意味になります。
このように、MustInherit と MustOverride はセットで使われることが多く、クラス設計をしっかり整理するために非常に便利です。
3. MustInherit と MustOverride の関係を理解しよう
抽象クラスに含まれる抽象メソッドは必ず子クラスで実装する必要があります。つまり「抽象クラス → 子クラス」へと実装を渡していく流れが自然に作られる仕組みです。この仕組みのおかげで、プログラム全体の構造がわかりやすくなり、クラスごとの役割がはっきりします。
たとえば、動物という抽象クラスを作っておくと、犬でも猫でも必ず「鳴く」というメソッドを持ちます。共通の規則が決まるため、プログラムの品質が安定します。
4. 実際に抽象クラスを使ったサンプルコード
ここでは犬と猫を例にして、抽象クラスをどのように活用するのかを確認してみましょう。
Public MustInherit Class Animal
Public MustOverride Sub Cry()
End Class
Public Class Dog
Inherits Animal
Public Overrides Sub Cry()
Console.WriteLine("ワンワン!")
End Sub
End Class
Public Class Cat
Inherits Animal
Public Overrides Sub Cry()
Console.WriteLine("ニャー!")
End Sub
End Class
Module Program
Sub Main()
Dim a1 As Animal = New Dog()
Dim a2 As Animal = New Cat()
a1.Cry()
a2.Cry()
End Sub
End Module
実行結果:
ワンワン!
ニャー!
抽象クラスであるAnimalはインスタンス化できないため、犬や猫といった具体的なクラスを使います。これにより、同じAnimal型でも中身が異なる動物が正しく鳴くようになります。
5. 抽象クラスを使うメリット
抽象クラスを使うと、プログラムの構造を揃えやすくなるという大きなメリットがあります。特に複数のクラスが共通の機能を持つ場合、抽象クラスを使うことで「何を必ず持たないといけないか」を統一できます。
また、初心者がよく悩む「クラスが増えてくると整理が難しい」という問題を防ぐことにも役立ちます。MustInherit を使えば、そもそも抽象クラスを直接使おうとしてもエラーになるため、誤った使い方を防止できます。
プログラムが大きくなるほど、こういったルールづくりが効いてきます。抽象クラスはVB.NETのオブジェクト指向を理解するうえで欠かせない存在です。